ピアノは私の身体の一部のような感覚です。
4歳から習い始め,終生ともにする楽器です。
ピアノはだれが弾いても,ネコがけんばんの上を歩いても,とりあえず音が鳴ります。
でも,弾く人によって音色が変わるんですね。また,同じ人からも曲によって様々な音色をつむぐことができるのもこの楽器の魅力です。
イメージを持って音を出す。このイメージがないと楽音にはなりません。
打鍵の細かい調整,ペダルともあいまって,イメージに沿った音が出ます。
指の角度,どこから体重を掛けるか,打鍵の深さや長さ,まあきりがありません。
私はバッハを弾くときは指をやや立てて,ノンレガート気味にチェンバロのイメージで弾くのが好きです。
ショパンを弾くときは,指の腹を使い,やや寝かし気味。離鍵はややおそめに,前の離鍵と次の打鍵がほんの少し重なるように,と言うようなことを考えながら弾きます。
夏休み,じっくりとピアノの練習に取り組みたかったのですが,今年はいろいろあってまとまって練習をすることができませんでした。
数年前,合唱の伴奏をしたときに,「音色ですぐわかった。」と言ってくださった方がいました。自分では意識していませんが,自分のピアノには自分色があるのでしょう。
最近,ふと思うことがあります。自分のお葬式のときには,「生前の演奏」を流してもらうのもありかなと。だとしたら,何の曲がいいでしょう。自分らしい曲。これは,果てしなく難しい宿題です。