何十年も前の卒業演奏での１曲です。これは難曲でした。速くて延々と続く連打音，和音の跳躍，３度のグリッサンド。もう最後まで弾ききるのがしんどくて，演奏を楽しむ余裕が全くありませんでした。
本番の演奏を聴いてみると，若気の至りというか，気が焦って随分空回りしています。１曲目の「蛾」，２曲目の「悲しい鳥」はまあまあ落ち着いて弾けたのですが，この曲で最後となると，なんか緊張のスイッチが見事に入って，指の動きと思考とが全くかみ合わなくなってしまいました。練習の時の方がきちんと弾けていた・・・・。でも，本番は一回きり。本番で力を出せる方が本当にうらやましい。
この曲の後半に３度のグリッサンドがあります。本番直後に気付いたのですが，中指の爪の根元が出血していました。グリッサンドのときに出血したようです。それほど余計な力が入っていたのでしょう。
ラヴェルの曲はどれも好きです。「ソナチネ」「クープランの墓」「夜のガスパール」「優雅で感傷的なワルツ」そして卒業演奏で取り上げた「鏡」。レッスンで弾きこんだのは「ソナチネ」「クープランの墓」「鏡」です。８月末に退職したらまた若いときのようにラヴェルのピアノ曲を練習してみたいと思います。
