森の小人のブログ

体重を落としたい。長年の夢をやっとかなえました。次は健康と人生の楽しみの両方をめざして暮らしていきます。

【加山雄三さん コンサート引退】引き際を考える

6月20日付 朝日新聞より引用

 朝刊を見て,驚きました。「引退」よりも85歳で今もなお現役ということにです。

 若い頃の加山さん,「若大将」というニックネームで映画やテレビ,コンサートで大人気でした。私は子どもの頃,あまり歌謡曲番組を見ていないのですが,それでもさわやかな加山さんの笑顔と歌声はよく耳にしました。むしろ,印象に残っているのは,故山本直純さんが司会をしておられた「オーケストラがやってきた」という番組にたびたび出演されていた姿です。指揮者の山本直純さんが,クラシック音楽をもっと身近な存在にということで長年出演されていた音楽番組ですが,加山さんはこの番組で自作曲のピアノも披露されていたりして,クラシック音楽に造詣が深く,いろいろな楽曲もクラシック音楽の土台があって生まれたのだなと感じました。

 

 毎年8月終わりの24時間テレビでは,番組の黄色いTシャツでエンディングの「サライ 愛は地球を救う」を元気に歌っていらして,これを聞くと「夏休みも終わるな。」というセンチメンタルな気持ちになったものです。そして,今年も元気すぎるくらい元気な歌声と姿だなと安堵したり。

 

 さて,今日の新聞記事を読むと,8月末の退職を決意した私の心に響く言葉がいくつかありました。まるで今の私のために出た記事ではないかと妄想するくらいです。

「人間,いつかは終わる。歌えなくなって辞めるんじゃなくて,まだ歌えるうちに辞めたい。」

 

「入り口があれば出口がある。もうだめだと思ったら,ピタッと辞めていく。そのけじめってのは大切だと思うんだよ。」

 

「人生なんて苦しいことが9割で幸せなことは1%。それでも経験にはみんな意味がある。良いことも悪いこともみんな大切にしてきた。だからこそ今があるんだ。」

 

珠玉の名言です。高齢になってから莫大な借金を背負い,困難な時期があったことも今日の新聞で初めて知りました。いつもスポットライトをあびているとばかり思っていた加山さんにそんな大変なことが起こっていたなんて。それでもいつもはつらつとした爽やかな笑顔でいられるなんて,やはりすごい方です。

 

私は退職の決断を迷っていたときに,「余力を残して辞めるということも大事だよ。無理して続けて辞めたとたんに亡くなった人もいるから。」とアドバイスしてくれた先輩がいました。加山さんの「歌えるうちに辞める」という言葉がまさに私の心境を表すものでした。私の決断は間違っていない。そう後押ししてもらったような気持ちになりました。

加山さんの潔い、見事な引き際に大きな拍手です。