森の小人のブログ

体重を落としたい。長年の夢をやっとかなえました。次は健康と人生の楽しみの両方をめざして暮らしていきます。

【ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール 結果】

金銀銅賞の入賞者たち(公式サイトより)

ついにヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールの結果が発表されました。優勝は18歳の韓国のピアニスト,ユンチャン・イムさんです。私はずっとこのピアニストに注目していただけに,優勝という結果は予想通りというか当然の結果だったと思います。

 

セミフィアイナルでリストの超絶技巧練習曲の12曲全曲を披露するというとんでもない攻めの姿勢に度肝を抜かれましたが,ファイナルで聴かせたベートーベンやラフマニノフの協奏曲はとても心を打つ深い演奏でした。特に,ラフマニノフの3番を聴いたときはもう優勝は間違いないと確信しました。

 

まだ18歳です。これからどんなピアニストになっていくのでしょう。リストのような超絶技巧をバリバリ弾くピアニストか,モーツァルトの協奏曲で聴かせた天衣無縫な流れるような音をつむぐピアニストか,ラフマニノフのように哀愁も激しさも併せ持つ深い音楽を奏でるピアニストか,これからが楽しみです。

 

ところでこのコンクールで2位はAnna Geniushene(31歳/ロシア),3位はDmytro Choni(28歳/ウクライナ)でした。ユンチャン・イムさんを真ん中ににこやかに笑っていますね。

本コンクールはロシアによるウクライナ侵攻を断固として抗議するという声明を出していますが,ロシアからのコンテスタントは受け入れています。コンクールの名前にもなっているピアニスト,ヴァン・クライバーンアメリカとソ連の冷戦中のチャイコフスキー国際コンクールでセンセーショナルな優勝を成し遂げた歴史があり,このコンクールでは若いロシアのピアニストにも平等に参加を認めているのでしょう。実際にファイナルではラフマニノフプロコフィエフチャイコフスキーというロシア音楽が演奏されました。政治を超えて、純粋に音楽に取り組む姿勢が受け入れられる本コンクールの懐の深さを感じます。

 

ユンチャン・イムさん,これからが楽しみです。韓国はK-POPで世界中を魅了していますが,クラシック音楽の世界でもチョ・ソンジン(ショパンコンクールの優勝者),ヒョク・リー(浜松コンの3位)に続いてユンチャン・イムの登場で,ピアニストの層の厚さを感じました。

 

下記のリンクは,はじめてユンチャン・イムを聴いたときの衝撃を書いたブログです。

【イム・ユンチャン とんでもない逸材】ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール - 森の小人のブログ