森の小人のブログ

体重を落としたい。長年の夢をやっとかなえました。次は健康と人生の楽しみの両方をめざして暮らしていきます。

【泣ける名作】ディズニーショートフィルム「マッチ売りの少女」

アンデルセン童話でだれでも知っている「マッチ売りの少女」ですが,ディズニーショートフィルムの中に収録されているこの作品がもう泣けます。

 

セリフも字幕も一切ありません。映像と音楽だけです。でも,言葉が聞こえてくるのです。とても雄弁に。

 

まず,映像。北ヨーロッパの町並みでしょうか,日本の冬とは違った陰鬱でモノクロな色合いの町並みです。北ヨーロッパは北海道よりも緯度は高い位置にありますから,確かに空気までも凍えそうです。重厚な石造りの建物や町並みの描写,そして色を抑えてあえてモノトーンの色合い。太陽の温かみが全くない寒くて暗い町並みです。

 

このモノクロの世界で,火の描写は明るいカラーです。街頭の灯,マッチの火,暖炉の火,クリスマスツリーのキャンドルの灯。陰鬱なモノトーンの世界に浮かぶ炎の明るさ。寒空でマッチを売る少女のほんのわずかな希望でしょうか。映画「シンドラーのリスト」でもモノトーンの中,少女の赤いコートだけが色合いをもって表現されていましたが,そのシーンを思い出しました。希望はこの現実の世界では実現されない希望です。この少女,ムーランに面影がそっくり。どうしてでしょう。

 

この作品の音楽はボロディン弦楽四重奏曲2番の第3楽章が使われています。このボロディンの音楽が効果的で,雄弁です。ひたすら美しい弦の響きがこのストーリーの悲しさを際立たせています。クラシックの名曲と映像を結びつけるディズニー映画の真骨頂です。このボロディンの音楽があるからセリフは一つもいらないのです。もの悲しく美しいメロディーが心にひたひたと押し寄せ,人物の心の描写をしています。

 

この作品,ディズニーらしさいっぱいです。ミッキーもミニーも出ませんが,映像と音楽で新しい命を吹き込むディズニーのすばらしさにふれることができます。何回見ても泣ける作品です。

 

 

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