森の小人のブログ

体重を落としたい。長年の夢をやっとかなえました。次は健康と人生の楽しみの両方をめざして暮らしていきます。

【はじめてショパンの曲を弾いたのは】

ピアノを習ったらいつかは弾きたいと思うのがショパンの名曲です。

わたしがはじめてショパンの曲を練習したのは小学校5年生の頃。「小犬のワルツ」というだれもが聞いたことがある愛らしい小品です。それまでにベートーベン,モーツァルトなどの比較的易しいソナタを弾いていたので,ちょっと背伸びしてショパンを弾きたいと子供心に思っていました。ショパンを弾くのはおとなのパスポートと思っていたからです。

 

「小犬のワルツ」は,ころころと音が軽やかに転がるような愛らしい曲で,譜読みはそれほど難しくありませんでした。超絶技巧もなく,ショパンの入門曲としてはもってこいだと思います。でも,その当時私が弾きたかったショパンの曲は,ノクターン2番だったのです。あの甘い美しいメロディー。うっとりするような夢心地のメロディー。でも,指が動いても子どもには弾けない。そう言われてしまいました。人生の機微をまだ知らない子どもには本当の表現はできない。指先だけの上っ面な表現になる。

 

「小犬のワルツ」をレッスンで弾いた後,またしばらくはベートーベンやモーツァルトばかりで,少々飽きてきました。おとなになったらその素晴らしさを実感しているのですが,子どもの頃は退屈で仕方なかったのです。早く本格的にショパンが弾きたい。

 

いろいろな曲に取り組んで,しばらくショパンからは遠ざかってしまいました。高校生になってからエチュードに取り組みました。エチュードは練習曲のことですが,リストやショパンエチュードは単なる練習曲ではありません。コンサートプログラムに取り上げられたり,コンクールの課題曲になったりするように,技巧的な難しさもありながら深い音楽性を求められる作品です。

 

エチュードは奥が深い。「黒鍵」「革命」「別れの曲」など有名な曲はやりましたが,一番苦労しているのは作品10の1という作品です。NHKの「ピアノの森」のオープニング曲にもなりました。本当に難しい,本当に壮大で美しい曲です。今でもずっと練習していますが,これは「弾けた!」という感じを一生味わうこともないと思います。それでも練習したくなる曲です。

下の動画は昨年,ショパン国際ピアノコンクールセミファイナルまで進んだ角野隼斗さんのコンクール前の動画です。なんて楽に弾いているのか!そして色彩の変化が美しい。いろんなところから光が当たって,曲の色が変化するようです。

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「小犬のワルツ」は本当に無邪気で愛らしい。しかし,その後のショパンの音楽はとても奥深く,終わりが見えません。何歳になってもショパンの音楽にふれていきたいと思います。

 

わたしがはじめてショパンの曲を聴いたのはルビンシュタインの音源です。これほどまで美しく,崇高で,堂々として,慈愛に満ちたショパンはないと思います。

CHOPIN COLLECTION

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