先日2月26日の情熱大陸はピアニストの藤田真央さん。
チャイコフスキーコンクールでの演奏を聴いてから,藤田真央さんの演奏から目が離せません。
天才。天衣無縫。天真爛漫。この方を形容すると「天」という漢字が思いつきます。まさに「天」に祝福されたピアニストです。
藤田真央さんは東京音大時代に学長の野島稔さんに師事をし,とても影響を受けたようです。野島さんが愛煙家だったことから藤田さんまで愛煙家になったとか。少年のような雰囲気の藤田さんがたばこを吸うシーンにはびっくり!たばこでなくシガレットチョコならわかるのですが。(シガレットチョコは昭和時代に駄菓子屋にあったたばこの外見のチョコ菓子です。)
ところで師匠の野島稔さん。この方はもともと演奏家として活躍されていました。歳を取って衰えを感じて潔くステージを去られたとか。美学といえば美学ですが,もったいない。私も若き日の野島さんの演奏をテレビで何度も見ました。
実は私の大学時代の恩師が野島さんと桐朋時代の同期なのです。私の恩師は桐朋を出られてから地方の大学で教鞭を執っておられていました。私の恩師は近現代の曲に造詣が深く,プロコフィエフのソナタ,ラヴェルのいろいろな作品などをレッスンしてくださいました。ベルクのソナタを課題にいただいたときは,どうしても楽譜が頭と指に入ってこなくて苦戦したのを覚えています。
ある日レッスンの後,ふと野島さんのエピソードを思い出したかのように話してくれたことがあります。「野島くんはねえ,とにかく一音一音ゆ~っくり練習するのよ。それを何時間も。練習室でその音が聞こえると,あ~,野島くんがやってるやってるとわかる。」テレビでは超難曲を鮮やかに弾きこなす野島さんは,実はものすごい地道な努力をされていたんだとびっくりしました。
情熱大陸でも藤田さんが野島さんの練習風景を見たことがあるという話をしていました。同じ和音をひたすら何時間も練習されていて,まるで「贖罪」のようだったと。
すごい方は地道な努力を継続できるということですね。私なんかできるところを中心にさらっている感じです。今,ショパンのエチュードをゆっくりさらっています。シニアの趣味でしかありませんが,地道に続けていこうと思いました。
それにしても野島さん,もう少し長生きをして年に数回でも演奏会をしてほしかった。
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