森の小人のブログ

体重を落としたい。長年の夢をやっとかなえました。次は健康と人生の楽しみの両方をめざして暮らしていきます。

【本番での「あがる」を軽減するためには】

ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールのライブ配信を毎日見ています。コンテスタントの素晴らしい演奏を聴きながら同時に思うことは,ステージで「あがる」ことはないのだろうかという素朴な疑問です。

最近スポーツ界でも本番での緊張を和らげるためのメンタルトレーニングや専属のアドバイザーまでいる話を聞き,ジャンルは違っても一流の方でも本番での心の整え方をとても重視しているのだなと感じます。血のにじむような練習の成果をここぞという本番で悔いなく発揮したいのはスポーツ,音楽,どの分野でも共通することですね。逆に言うと,結果がよくなくても自分本来の力が存分に発揮できたなら悔いはないということだと思います。

 

私はピアノを幼少から始め,大学はピアノの卒業演奏で締めくくりました。小学校・中学校の頃は本番は楽しくて,ステージに出る直前まで胸がドキドキしていたも,演奏を始めると集中することができました。ピアノの発表会,学校での合唱や合奏の伴奏,卒業式での伴奏など子どもの頃は「あがる」ことの心配よりも本番が楽しみでした。

 

高校生の頃から,本番前になると心臓がバクバク,指が固まってうごかない,いわゆる「あがり症」になりました。大学生の時の発表会で,ドビュッシーの「雨の庭」を弾いたとき,最後の一音をはずしてしまうこともあり,ますます本番恐怖症になりました。

 

コンクールでのコンテスタントの演奏を視聴すると,みなさんあがることはないのでしょうか?ピアノの前に座って瞑想して,目を開いた瞬間からゾーンに入っていらっしゃる。そんな印象を受けます。ピアノの技術がすごいだけでなく,心の整え方もみなさんすごいですね。

 

中村紘子さんがNHK教育でのピアノレッスン番組であがらないこつのような話をしていらっしゃったのを覚えています。

「私の音楽は本当にささやかなものだけど,どうぞ聴いてください。そう念じて聞き手に届けようと思って弾くのです。」

そんな話だったと記憶しています。中村紘子さんのようなスターピアニストでもそんな境地になるんだ,とすごく心に響いたお話でした。上手に弾こう,よいところを見せようと思うのでなく,ひたすら謙虚に自分のささやかな音楽をどうか聴いてくださいという思いで弾くということです。

 

現代最高のピアニストの一人でもあるマルタ・アルゲリッチドキュメンタリー映画を見たときも,本番直前にステージ袖で「もういや。弾かない。」とおさなごがだだをこねているような様子が出ていました。でも,ステージに出たとたんに後光が差し,巨匠らしい音楽を奏で始める。

 

ステージ直前の心の持ち方は普段目にする機会がないだけに,人それぞれでしょう。牛田智大さんはショパンコンクールの演奏直前までカメラに向かって笑顔で手を振っていましたよね。4位の小林愛実さんはステージに上がる直前までもぐもぐ何か食べていらした。最近はライブ配信でカメラが入るので,ステージ直前までの様子が見えます。今の若い方は緊張しないのか?そんな感じが伝わってきます。

 

私はアマチュアですからこう思うことにしました。

本番の緊張も含めて楽しもう。

でもね,やはり緊張します。数年前,内輪のコンサートでショパンのバラード1番を弾いていたとき,静かなところで誰かの携帯の着信音が鳴り始め・・・あれは心が乱されました。まだ修行が足りません。

 

本番での緊張軽減に役立ちそうな本

本番に強くなる! ~演奏者の必勝メンタルトレーニング~

ジュリアードで実践している 演奏者の必勝メンタルトレーニング

本番に強くなる! ~演奏者の必勝メンタルトレーニング~

メンタルトレーニングの教科書 ~本番に強くなる! 自信をつける!