天才中の天才。かてぃんさんこと角野隼斗さん。東大・東大大学院卒という日本最高府のご出身でありながら,昨年秋はショパン国際ピアノコンクールでセミファイナルまで進出されたピアニスト。ジャズ,ポップス,自作曲,クラシックの垣根を越えて,どこにも神出鬼没に自由自在に音楽を奏でる。すごい方です。
初めてかてぃんさんの演奏を聴いたのは,PTNAコンクールのファイナルでした。動画配信をしていたのですが,ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を弾いていらしてました。スケールの大きさとロマンチックな歌い方で,まさに王道。優勝でした。
そのころ,youtubeのポケットウィズチャンネルでときどきかてぃんさんがドッキリピアノで出ていました。オタクファッションで大学の卒業パーティーに出て,「あれ,何あのオタク?」という空気が演奏を始めると一変。会場を一瞬で掌握して拍手万雷。そんな楽しい動画でした。
またあるときはヤンキーの出で立ちで現れ,「なんだこのヤンキーは?」というまなざしの中ピアノを弾き始めると,またまたみんな口を開けてあんぐり。そして一瞬でピアノの魔法にかかり,やんややんやの大喝采。
今のかてぃんさんとは違った服装やいでたちで,ピアノでドッキリと言う楽しいストピでした。
最近のかてぃんさんの活躍はすごいですね。テレビでもひっぱりだこ。いろいろな音楽番組,情報番組,番組のテーマ音楽,コマーシャルなど,すごい活躍ぶりです。
また雑誌や動画配信でも見ない日はないくらいです。コンサートも国内外を問わず,オーケストラとの共演,2台ピアノ,ソロ,どれだけレパートリーが広いのか。
昨年秋のショパン国際ピアノコンクールはライブ配信がありましたので,角野隼人さん(コンクールではこちらの名前)の演奏をずっと聴きました。前後の演奏者と比べて角野さんが登場すると視聴者数がものすごく上がる。コンクールのコンテスタントの演奏というより,世界中が角野さんの演奏を待っているという感じがしました。
ショパンの演奏,正統派のショパンの演奏は何かということがよく議論されます。角野さんのショパン,音が踊っているようでした。ジャズのリズム感とショパンの音楽がどこかでつながっているような不思議な感覚でした。私が特に好きなのはスケルツォ第1番の演奏です。はじめの部分の速い動き,音が躍動しているのが目に見えるようでした。短調で苦悩を表すような旋律でありながら聴いていてうきうきしました。中間部の子守歌のような旋律,聴かせましたね。
最近のかてぃんさんはメディアへの出演,コンサート会場やスタジオからの配信が多いので,数年前のような本当に街中でのストピに遭遇する機会はないかも知れません。でも,どこかのショッピングモールでジェラートを食べながら休憩していたら,素晴らしいピアノの音色が聞こえて,行ってみたらかてぃんさんが楽しげに弾いていた、そんな場面に遭遇してみたいものです。
角野隼人さんCD
角野隼人さんのお母さんの子育て本